今日も旅ゆく

いったりきたりの旅の記録

ラーメンが胃にくる

福岡といえばとんこつラーメンです。

 

19歳になる年、地元を離れ京都の大学に進学することになりました。4月か5月か定かではないけれど、大学で知り合ったばかりの友達との距離を測りかねながら行った「来来亭」(豚キムチがおいしい)。衝撃でした。なんと「ラーメン」と注文したら「しょうゆラーメン」が出てくるではありませんか。ラーメン=とんこつという方程式は福岡(九州?)だけのもので、本州ではしょうゆなのかとものすごいカルチャーショックを受け、母親に「京都はラーメンって言ったらしょうゆが出てくるんだよ」と電話で教えてあげたのを覚えています。

 

さて、とんこつラーメンです。

福岡のソウルフード。地元を離れているときはやたら言ってた「血中のとんこつ濃度が低くなってるからラーメン食べたいわ。関西にはあんまりないから地元に帰らないと~」とドヤ顔。あーあ思い出すだけで死にたい。何でしょうかね、血中とんこつ濃度って。顔面にパンチ入れられても何も文句は言えないくらいつまらない言葉ですよ。

 

それほどまでに矜持を持っていたとんこつなんですが、26歳を超えた頃から、食べると胃もたれするようになりました。

食べているときは普通です。普通に美味しく食べられる。

食べ終わって30分後くらいから、胃に妙な感じを覚え、そこからが地獄。昼に食べたら夜まで胃が妙に張った感じと、腹痛に悩まされることになるのです。

 

油が合わないのかな、他にも同じような症状に悩んでいる人はいないかな、ラーメンを食べることは止めたくないし解決策ないかな……と思い、ネット検索をすると、ヤフー知恵袋発言小町に似たような悩みを抱える人を見つけました。しかし、回答欄が地獄も地獄。「普通の人はそんな症状でない(頭おかしいんじゃないの?という書きぶり)」「何かの病気なのでは?」「そんなこと言うならラーメン食べなきゃいいんじゃないですか?」

そこまで言わなくて良くない?という容赦のなさ。どうしてああいうところには、ラーメン腹痛という原因不明の悩みを抱える質問者に親でも殺されたのかというくらい辛辣な回答をする輩が多いんだろう。結局回答にイライラするだけで解決策も見つからないまま、今もこうして生活しています。

 

ラーメンが嫌いになったわけではないので、食べたいという気持ちは変わらず持っています。身体がついてこないだけ。好きだけど分かりあえない。

とりあえず最近はラーメンを食べると決まったときには胃薬を持ち歩くようになりました。

 

寄る年波には勝てない、まさかそれを地元の名物で感じることになるとは。

これもまた、とんこつを矜持として、周りに痛い発言をくり返していた報いなのかもしれません。