今日も旅ゆく

いったりきたりの旅の記録

旅はひとりがいい

 ひとりきりで行く旅が好きだ。

 

 「次の電車まで1時間あるけどホームのベンチでゆっくり待とう」とか、逆に「時間的に厳しいから少し早歩きで目的地に向かおう」とか、無茶な行程を組んでも誰にも怒られないし、ランチで無理に並んでご当地グルメを食べなくてもいい。晩ご飯を済ませた後、コンビニやスーパー等でご当地のおつまみとビールを買って、ホテルでその地方にしか流れないCMにニヤつきながら、飲み直しをするのも最高だ。

 好きな音楽を聴きながら、誰にも邪魔されずに、流れていく車窓風景をぼんやり眺められるのも良い。興味のあるスポットに気兼ねなく行けるし、名所旧跡の案内板をじっくり読んでも変な顔をされなくて済むし「なんて書いてあるの?」「(説明)」「ふ~ん(興味なし)」といったやりとりも発生しないからイライラすることもない。

  

 ひとり旅ではTwitterが大活躍する。

 自分の思っていることをただ吐き出す。頭は整理されるし、例外はあるけれど、基本的に「いいね」「RT」の把握以上のコミュニケーションが見えない。公の壁打ち。わたのような人種にとって、Twitterは画期的なツールだと思う。いつもありがとうございます。

 

 こういう話をすると「寂しくないの?」と驚かれる(のと同時に友達がいないのかと憐憫の目を向けられる)ことが多いけれど、さみしいと感じたことはない。

 何よりも、結論の出ない行程のすり合わせ、城に行きたいのに却下された、なのに興味のないスポットへ行かなくてはいけないのか、せっかくこんな遠くに来たのに、公共交通機関のルート検索もろもろ、複数人になった途端めちゃくちゃ面倒になる。そして旅館でのお風呂と食事の時間調整と朝風呂行く行かない朝ご飯食べる食べない派との調整が、本当にしんどい。

  旅行ではなく、キャンプであったり、観光するわけでもなくただ集まってお鍋を囲んだり、夜通しカードゲームをしたり等はただひたすら楽しいのに、旅になった拒絶反応が出る。

 「思い思いに行動して気にしなければいいじゃん」と言われてもどうしても気になる厄介な性格と、他者への許容の度合いが年々狭まっているのが原因だと思う。後者がヤバいのは自覚している。が、好きなことくらい好きにさせてほしいとも思う。

 

 恐ろしいのは、この考えを全くと言っていいほど理解してくれない人種というものがいることだ。しかも(主観ではあるけれど)かなりの数。

 

 今日も「ヒトカラの女はナンパ待ちだ、と思う人間がいる」という世にも恐ろしいツイートが流れてきて震えた。どういう思考回路をしているか聞きたい。

 この例は極端にしろ「ひとり……かわいそう」という考え方をする人もいて、一人旅が好きだという話をした後に「今度声かけてよ」と言われてひっくり返ったこともある。お前はこれまでの話を聞いていたのか。一人がいいから一人でいるんだよ。

 

 その中でゆるキャン△は衝撃的だった。

 「みんな常に一緒にキャンプ行こうね」という圧力もなければ、リンのソロキャンを「なんで一人で行くの」「みんなが楽しいよ!」とゴチャゴチャ言うやつもいない。みんなそれぞれ自立もしていて、SNSで綺麗な景色の写真を送りあう……最高か?と思う。この姿勢を理解してほしいので、人類はみなゆるキャン△を読むよう義務化してほしい。

 

 話がだいぶ逸れてしまったが、とにもかくにも、自由気ままな一人旅というのも良いものなので(魅力は冒頭記載のとおり)興味があるけど勇気がないよ、という人は近場から試してほしい。

 そしてひとり旅の人口を増やして、理解のない人種を駆逐できたらいいなと思います。